公開日: |最終更新日時:

就労移行支援サービスの手続き

障害や病気のある人が就労移行支援サービスを受けるにはいくつかの手続きが必要になります。ここでは障害者手帳を取得している人も必要になる「障害福祉サービス受給者証」について解説します。

就労移行支援サービスを利用するには受給者証が必要

就労移行支援サービスとは、障害福祉サービスのひとつ。障害のある人が一般企業への就職を目指すために、必要なスキルを身につけるサポートを行います。

就労移行支援サービスは、障害者総合支援法によって定められた公のサービスで、全国の都道府県に3,500以上もの事業所があります。

障害や病気のある人が就労移行支援サービスを利用する際には、自治体から交付される「障害福祉サービス受給者証」が必要です。

取得するにはいくつかのチェックがある

すでに障害者手帳を取得している人も、事前に「障害福祉サービス受給者証」の申請をして取得しなければなりません。

申請時には認定調査などいくつかのチェックがあるため、あらかじめ受給者証取得の方法について確認しておきましょう。

受給者証の利用対象者

受給者証を申請するにはいくつかの条件があります。利用対象者について確認し、自分が当てはまるかを調べましょう。

  • 65歳未満の人
  • 身体障害、知的障害、精神障害、難病のある人
  • あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許、きゅう師免許を取得している人

就労移行支援サービスには年齢制限があり、65歳未満が利用対象者です。
また、就労に必要な知識や技術の習得、就労先の紹介などの支援により、一般的な事業所に雇用されることが可能と見込まれる人も対象になります。

サービス利用期間は原則2年間以内。事業所との雇用契約は結ばず、工賃も基本的にもらうことができません。対象者や条件をクリアしたなら、障害福祉サービス受給者証を取得して就労移行支援サービスを受けましょう。

受給者証とは

「障害福祉サービス受給者証」は、一般的に「受給者証」と呼ばれており、マイナンバーカードのように個人情報が記載されています。障害者手帳とは別のものになるので確認しておきましょう。

就労移行支援サービスを利用する際には、事業者に受給者証を提示して利用します。またサービスの利用後に料金の支払いが必要な場合には、受給者証を確認し利用者負担額を事業者に支払います。

具体的には、被保険者番号、氏名、住所、生年月日、保険者名、障害程度区分の他に、障害福祉サービスを受ける際の自己負担限度額や期間が記載されています。またサービス別の給付時間と回数、サービスごとの事業所登録と契約時間の欄なども記されているので、受給者証があれば、障害福祉サービスについて必要な事柄がすべて把握できるようになっています。

受給者証を申請する際の流れや手続き

受給者証を申請する手続きについての流れを紹介します。

自治体の福祉担当窓口に相談する

「受給者証」の受付窓口は、自治体の福祉担当窓口になります。市区町村の障害福祉課や障害保険福祉課など。申請できるのは、就労移行支援サービスの利用を希望する本人や保護者、または代理人のみ。

なお、申請にはいくつか書類の提出が必要となる場合があります。事前に電話などで確認しておくとスムーズに手続きが行えるでしょう。

申請書類へ記入し提出する

就労移行支援サービスは自治体によって申請書類が異なりますが、一般的には「訓練等給付費支給申請書」と呼ばれる書類になります。

を記入して福祉担当の窓口に提出します。

記載が必要となる事項は、申請者の氏名・生年月日・居住地・電話番号に加えて、身体障害者手帳番号や療育手帳番号、精神障害者保健福祉手帳番号です。さらに疾病名、申請するサービスの種類も記入するため、戸惑わないようあらかじめ確認しておくことが必要。

他にも障害や病名が分かる医師の診断書や認印などが必要となるケースがあります。事前に申請時に必要なことは何かを窓口に確認しておきましょう。

認定調査を受ける

申請書類を提出すると後日認定調査を受けます。認定調査の場所は、受付となった福祉担当窓口または就労移行支援事業所。どちらも困難な場合は自宅で行われることもあります。

自治体から認定調査の日程についての連絡が来て、担当職員により生活状況や心身の状態などについてのヒアリングが行われます。

利用計画案を作成する

認定調査が終了すると「サービス等利用計画」の書類作成と提出を行います。

「サービス等利用計画」は、申請者の生活状況や心身の状態、さらにはニーズや今後の目標などの聞き取りを行って作成する計画案です。「指定特定相談支援事業者」の相談支援専門員が聞き取りと記入をするので、利用者は質問に応えましょう。

ます。

なお、指定特定相談支援事業者とは、自治体が指定している相談支援事業所のことです。障害福祉サービスを利用する際に利用計画を作成したり、作成した利用計画が適切であるかモニタリングを行います。

作成した利用計画案の内容については、利用者本人に説明が行われるので、納得がいけば確認して署名・捺印します。しかし必要があれば見直しや修正を行い、より良いサービスを利用できるようにします。

受給者証の暫定支給が行われる

「サービス等利用計画」を受付窓口に提出すると、1~2週間程度で暫定の「障害福祉サービス受給者証」が送られてきます。しかし、この受給者証は一時的なものなので、開始日からの有効期間は2か月のみです。

この暫定期間の間に、就労移行支援事業所で実際の就労を行い、計画案のサービスが適切かどうかを判断します。就労を実際に体験する中で、支援の内容が合わない、追加の支援が必要などの場合には、計画案の見直しが行われます。この期間に利用者は自分の希望する働き方であるかを見直すことができます。

計画案が適切だと判断されれば、暫定期間後に指定事業者が「個別支援計画」を作成して提出します。

受給者証が支給される

指定事業者が「個別支援計画」を提出して受理されると、障害福祉サービスの「支給決定通知書」と受給者証が発行されます。

就労移行支援サービスの利用にあたり、障害福祉サービス受給者証を発行してもらうには申請が必要です。さらに申請後の認定調査や計画案作成、暫定利用などいくつかのプロセスがあるので、受給証発行まで少なくとも一か月は見ておきましょう。