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障害者トライアル雇用とは

就職を希望していても、実際にその職場で働き続けられるかどうか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。そんなときは、会社が用意している「障害者トライアル雇用」を受けてみましょう。詳しい内容を紹介します。

障害者トライアル雇用とは

「障害者トライアル雇用」は、障碍を抱えた方が、本採用の前に一定期間、実際の職場で業務を体験することを言います。

障害者トライアル雇用の対象

障害者トライアル雇用を受けられる人については、厚生労働省が対象を明確にしています。

その内容は障碍者の雇用の促進などに関する法律が定めており、障碍の原因や種類は問われていません。

次のいずれかの要件を満たしている方で、さらには企業が行っている障害者トライアル雇用を希望する方のみ、その対象となります。

① 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望している

② 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している

③ 紹介日の前日時点で、離職している期間が6月を超えている

④ 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

[PDF]参照元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/index.html、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000103771.pdf)

障害者トライアル雇用の期間

障害者トライアル雇用には、「障害者トライアルコース」・「障害者短時間トライアルコース」が存在します。さらには「一般トライアルコース」もありますが、こちらは対象者が異なるため注意しましょう。

「障害者トライアルコース」は基本的に3か月とされています。ただし、精神障害を持つ人では、これが6か月から最大12か月の期間が必要となります。
また、「障害者トライアルコース」では、その期間中の労働時間が1週間で20時間以上と定められています。

しかし、週に20時間以上の労働が難しいという人も中にはいます。
その場合、精神障害と発達障害がある人は、「障害者短時間トライアルコース」を受けることができます。

「障害者短時間トライアルコース」では、1週間の所定労働時間が10時間以上20時間未満とされてます。そして、障碍を持つ方の職場への適応状況や体調などを鑑みて、20時間以上に延ばすことも可能です。
「障害者短時間トライアルコース」のトライアル期間は、3か月以上12か月以内とされています。

参照元:厚生労働省「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html)

障害者トライアル雇用制度を利用するメリット

障害者トライアル雇用制度にはさまざまなメリットがあります。受ける側はもちろんのこと、行う側、企業にとっても大きなメリットが。そのひとつが、企業と求職者の両者でミスマッチを防ぐことです。トライアルによって求職者の適正を見極め、適した職場に就いてもらえるよう推し進めます。さらなるメリットとなるのが、障害者トライアル雇用を行うことで助成金を受けられることです。雇用した人数に応じ、企業が助成金を受け取ることができます。

では、雇用される立場の求職者にはどのようなメリットがあるのでしょう。詳しく紹介します。

自分に合っているか試すことができる

職に就く前、実際に業務を体験し、自分に合っているかどうかを確認できるのが障害者トライアル雇用のメリットの1つです。
今まで身に着けたスキルが通用するのか、新たにどのぐらいのことを覚えればいいのか。また、実際に業務を体験することで、新しい仕事であっても理解が深まり、仕事への適性があるかどうかも知ることができます。
毎日無理なく通勤できるかどうかを見極めるためにも、事前に仕事内容を確かめることはとても重要です。

職場が働きやすい環境なのか体験できる

仕事を長くに続けるためには、業務そのものだけでなく、環境及び人間関係も大切です。そのため障害者トライアル雇用でも業務内容だけでなく、職場の環境もしっかりと確認しておく必要が。

まず、実際に働く際に通勤しやすい会社かどうかも考慮しなくてはなりません。あまり遠かったりアクセスが良くなかったり、乗り換えが多いと負担になってしまうことがあります。また、近場であったとしても、実際に通勤して見たらラッシュが酷かったり、バスの本数が少ないというケースも考えられます。こうした事柄はトライアルを経験することで事前に把握できます。

また、同僚や上司の人柄、相性も就職に関しては見落とせない要素です。年月を経ることで少しずつ信頼を築いていくこともできますが、長く付き合うことになるのでよくよく考えてから決めることをおすすめします。

事前に自分の特性を把握してもらえる

就職する前に、自分が持つ障碍や病気の特性を職場に伝え、双方が納得した上で働くことができるのも障害者トライアル雇用の利点です。
事前に仕事する上でどんな設備や支援・配慮が必要かを伝えられるので、あとあとの業務がスムーズになります。また、雇用する側も、前もって障碍や病気の特性を知っておくことで、その対応方法や設備を整えられるようになります。

障害者トライアル雇用制度を利用するデメリット

障害者トライアル雇用制度には、メリットも多いですがデメリットも存在します。メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握していないと、期待していた通りに行かずにモチベーションが落ちてしまうことも考えられます。メリットとデメリットの両方を確認した上で就職活動に活かしてみてください。

そもそもトライアル雇用していないことが

障害者トライアル雇用は、雇用される側にも、する側にも多くのメリットがあります。しかし、どの会社もトライアル雇用を採用しているかと言えば、そうではありません。トライアル雇用を希望していたとしても、受けられないことがあるのです。
トライアル雇用を行うためには会社側で書類の提出が必要となります。会社によっては手間がかかると判断され、障害者トライアル雇用を採用していない場合もあるのです。

必ずしも採用されるとは限らない

「トライアル期間」と「試験期間」は意味が混同されてしまうことがありますが、実際には大きく異なっています。採用を前提としている「試験期間」に対し、「トライアル期間」ではトライアルを受けたからと言って必ずしも採用されるとは限らないのです。
選考の結果、不採用になるケースももちろんあります。ただし、障害者トライアル雇用では書類選考だけではなく面接も必須ですし、トライアル雇用を受けた多くの人がその後は採用されています。自信を持ってトライアルを受け、たとえ不採用であっても次の求人がありますからそちらに目標を定めましょう。

就職条件が希望と合致するのであれば、チャンスを掴むべく挑戦することをお勧めします。

その他の就労支援制度との併用

何らかの理由で働くことが困難である場合、その人を対象として就職・働き続けることを支援する制度が「就労支援制度」です。

就労支援と聞くと、就職するまでのサポートが受けられる制度だと勘違いされることもありますが、正しくは少し異なります。

就労支援制度は、就職前・就職時・就職後と、働いている最中でも受けられる支援なのです。

その目標は、就職訓練・職場探し・定着支援の3つ。

つまり障害者トライアル雇用を受けて居る際にも就労支援制度は利用できるのです。

障害者トライアル雇用を受ける際も、まずは就労移行支援事業所を訪れるなど、ほかの就労支援制度・サービスも選択に入れておくのがおすすめです。